企画展

長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー

Nagasawa Rosetsu

 長沢芦雪(1754-1799)は円山応挙の門下で若くして高い画力を身につけ、さらに柔軟な感覚による個性を発揮しました。芦雪は大胆奇抜な発想で人を驚かせ楽しませようというサービス精神に富み、今日では伊藤若冲や曽我蕭白と並んで「奇想」の画家と称されています。

 また他方で、芦雪が描く虎や龍が併せ持つ力強さとユーモア、仔犬や烏の人間臭さ、唐子や猿の豊かな表情と時おり見せる深遠な眼差し、そして抒情と妖しいまでの美しさに満ちた水墨の風景などには、江戸時代絵画の中でも特に率直な画家自身の心持ちが現れているといえるでしょう。本展では芦雪の多彩な表現をご紹介するとともに、奇想の奥に潜んだ彼の心境と画境の深化を探ります。

 代表作とされる和歌山県無量寺の《龍図襖》《虎図襖》は、その両脇二間の障壁画と合わせて同寺のしつらえを展示室で再現し、芦雪が意図した空間構成を体感していただきます。

基本情報

[会期]
2017年10月6日(金)〜11月19日(日)
[会場]
愛知県美術館[愛知芸術文化センター10階]
[開館時間]
10:00-18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
月曜日(ただし10月9日[月・祝]は開館)、10月10日(火)
[観覧料]
一般1,400(1,200)円
高校・大学生1,100(900)円
中学生以下無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金。
※上記料金で、同時開催のコレクション展およびAPMoA Project,ARCHもご覧になれます。
※「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」のいずれかをお持ちの方、また、その手帳に「第1種」または「1級」と記載のある方に付き添われる方は1名まで当日料金が半額となります。美術館チケット売場にてお買い求めください。
[主催等]

[主催] 愛知県美術館、中日新聞社、日本経済新聞社、テレビ愛知

[協賛] 損保ジャパン日本興亜、トヨタ自動車、野崎印刷紙業

[協力] 日本航空、JR東海、近畿日本鉄道

見どころ

図録

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開館二十五周年記念
長沢芦雪展 京のエンターテイナー
編集:愛知県美術館、中日新聞社
執筆:山下裕二(明治学院大学教授)、金子信久(府中市美術館学芸員)、岡田秀之(嵯峨嵐山日本美術研究所学芸課長)、深山孝彰(愛知県美術館美術課長)、佐藤晃子(美術ライター)
デザイン:大向デザイン事務所(大向務、坂本佳子、吉澤七海)
印刷:野崎印刷紙業
発行:長沢芦雪展実行委員会

「エンターテイナー・長沢芦雪の真骨頂─制約あるがゆえの奇想」山下裕二
「芦雪画の深みと広がり──素顔の芦雪を求めて」深山孝彰

[図版]
第一章 氷中の魚:応挙門下に龍の片鱗を現す
第二章 大海を得た魚:南紀で筆を揮う
無量寺方丈の障壁画の配置
第三章 芦雪の気質と奇質
第四章 充実と円熟:寛政前・中期
第五章 画境の深化:寛政後期

「芦雪が「芦雪」になるまで」岡田秀之
「仏の国の芦雪」金子信久

作品解説
参考文献
略年譜
作品目録

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