企画展

アルトゥング展

Hans Hartung

 ドイツに生まれ、フランスで活動したアンス・アルトゥング(1904-1989)の名は、第二次世界大戦後まもなくパリに登場した「熱い抽象」を代表する画家のひとりとして、欧米のみならず日本でも広く知られていました。スピード感にあふれた黒い筆線がダイナミックに空間を舞う1950年代の作品群は、その時代を象徴する芸術として今日も記憶にとどめられています。しかし、1920年代初めから約70年間に及んだ彼の歩みを、あらためてその全貌において評価する機会は、いまだ与えられていません。

 画家を志した少年時代からアルトゥングの心を強くとらえていたのは、線や絵具のしみが、現実のものを表わすはたらきとは別に、それ自体で何かを感じさせることでした。彼はすでに十代の頃から抽象的な水彩画やデッサンに取り組み、1930年代には独自の作風を築きあげていきます。抽象的な線の表現力を追求した、この時代の一貫した試みは、戦後の十数年間に大きく開花することになりました。

 名声の頂点にあった1960年を境に、彼の制作方法は一変します。巨大なカンヴァスに生き生きとした身振りの跡を刻みつけるため、刷毛、ローラー、木の枝、ほうき、スプレーなどの多様な道具が用いられ、いっそう自由でスケールの大きな作品が生み出されました。とりわけ最晩年の作品群は、一瞬のひらめきと持続的な思考との対話から生まれる彼の芸術が、85年の生涯を閉じるまぎわに最も豊かな輝きを放ったことを示しています。

 この展覧会は、アンス・アルトゥング&アンナ=エヴァ・ベルクマン財団(アンティーブ)の全面的な協力のもとで、アルトゥングの芸術の知られざる全貌をご紹介します。出品作品は、彼のそれぞれの時代を代表する絵画と素描、そして彼のインスピレーションの源泉をうかがうことのできる写真など、計145点です。

基本情報

見どころ

図録

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アルトゥング展

編集:村上博哉(愛知県美術館)、古田浩俊(愛知県美術館)
英文和訳:人見伸子、隠岐由紀子
和文英訳:小川紀久子
デザイン:互井陽子
制作:コギト
発行:愛知県美術館

「アンス・アルトゥング─不撓不屈の魂」ドナルド・カスピット
「アルトゥングとアルトゥング財団」大岡信
「アルトゥングヘの三度目の接近」村上博哉

図版/ Plates
年譜

Donald Kuspit, "Hans Hartung, Indomitable and Independent"
Makoto Ooka, "Hans Hartung and The Hartung Foundation"
Hiroya Murakami, "The Third Approach to Hartung"

Biography
Exhibitions
Principal Museums and Collections
Monographs




HANS HARTUNG
Edited by Hiroya Murakami (Aichi Prefectural Museum of Art) / Hirotoshi Furuta (Aichi Prefectural Museum of Art)
Translation from English to Japanese: Nobuko Hitomi / Yukiko Oki
Translation from Japanese to English: Kikuko Ogawa
Designed by Yoko Tagai
Produced by Cogito Inc.
Published by Aichi Prefectural Museum of Art

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