企画展
モノクロームの静寂(しじま) フランツ・ゲルチュ展
FRANZ GERTSCH

スイス、ベルン郊外の小村メーリンゲンに生まれたフランツ・ゲルチュ(1930-)は、現在ヨーロッパにおける「スーパー・リアリズム」を代表する画家として、揺るぎない評価を得ています。
1950年代初期に、写真を基にした絵画制作を開始したゲルチュは、60年代末には、スライド・プロジェクターを用いた作画法に到達しました。多くのフォト・リアリストが主としてエアブラシを使うのに対して、彼は、繊細で微妙な線と点とを生み出すために、非常に毛先の細かい絵筆を用いました。
1987年以降は、身近なモデルの肖像や自宅近郊の自然風景、そして樹木の枝葉をモティーフに、鋭利な彫刻刀で原板を刻み、京都で調達した顔料を使って越前和紙に刷るという大型木版画の政策に集中してきました。大きな画面の上のおびただしい刻点は、物のかたちの単なる再現を超えて、奥深い精神性をたたえるものとなっています。それらは、ゲルチュが、常に対象物との静かな対話を深めていることを知らせているのです。また、彼がここ数年来取り組んでいるドローイングは、油絵具を使っているにもかかわらず、平面的な構成はもとより、手漉き和紙の上に置かれた繊細な描線と穏やかで微妙な彩色とによって、日本画に慣れ親しんだわたくしたちに、ある種の郷愁すら感じさせてくれます。
今回の展覧会は、こうした超大型木版の代表作20余点を中心に、縦横が各3メートルを超えるアクリル肖像画とドローイングの近作数点を加えて、日本で初めてゲルチュの芸術を紹介するものです。
基本情報
- [会期]
- 1995年5月26日(金)~1995年7月2日(日)
- [会場]
- 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
- [開館時間]
- 10:00~18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで) - [休館日]
- 毎週月曜日
- [観覧料]
一般 800(600)円
高校・大学生 600(400)円
小・中学生 300(200)円
※()内は20名以上の団体料金- [外部サイト]
- [主催等]
[主催] 愛知県美術館、日本経済新聞社、テレビ愛知
[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会、JR東海
見どころ
図録
フランツ・ゲルチュ展
編集:寺門臨太郎(愛知県美術館)、藤島美菜(愛知県美術館)
デザイン:桑畑吉伸
制作:コギト
発行:愛知県美術館、日本経済新聞社
「フランツ・ゲルチュとの出会い──《ナターシャW》と《シュヴァルツヴァッサー》」浅野徹
「拡張する空間──展開する瞬間」ヨーゼフ・ヘルフェンシュタイン
「すべては流れのなかに──フランツ・ゲルチュのモティーフについて」ヘルムート・フリーデル
図版/ Plates
ゲルチュの言葉
略年譜
Exhibition FRANZ GERTSCH
Editors: Rintaro Terakado (Aichi Prefectural Museum of Art) / Mina Fujishima (Aichi Prefectural Museum of Art)
Designed by Yoshinobu Kuwahata
Produced by Cogito Inc.
Co-Published by Aichi Prefectural Museum of Art / Nihon Keizai Shimbun, Inc.
Toru Asano, "Encountering Frantz Gertsch──Natascha IV and Schwarzwasser"
Josef Helfenstein, "Expansion of Space──Expansion of the Moment"
Helmut Friedel, "It's All in the Flow──on a Motif Used by Frantz Gertsch"
One-man Exhibitions
Bibliography (selected)
関連イベント
■記念講演会「フランツ・ゲルチュの芸術」
[講師] 寺門臨太郎(愛知県美術館学芸員)
[日時] 1995年6月3日(土)13:30-
[会場] アートスペースA(愛知芸術文化センター12階)
[定員] 先着150名
※1人1枚の往復はがきで、住所、氏名、電話番号をご記入の上、愛知県美術館企画普及課までお申し込みください。