企画展

幻の愛知県博物館

The Aichi Prefectural Museum That Might Have Been

現在愛知県には、県立の総合博物館がありません。けれども明治時代に遡ると、この地に「愛知県博物館」は確かに存在していました。1878(明治11)年に県が民間からの寄附金を集めて建てた博物館は、古く貴重な文物から味噌や醤油、酒、木材、織物、陶磁器、絵画、機械、動植物等々、国内外のあらゆる物産を集め、人々の知識を増やして技術の発展を促そうとしました。まだまだ博物館をどういう施設にすべきか方向の定まらぬ時代に、同館は先進的な商品見本を展示・販売して県下の産業を刺激する商品陳列館へと、徐々に姿を変えていきます。日本各地に博物館や美術館が建設されるなかでいつの間にか忘れられてしまった、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての「愛知県博物館」へ、時空を超えてみなさんをお招きします。

基本情報

[会期]

2023年6月30日(金)~8月27日(日)

[会場]

愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)

[開館時間]

10:00-18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)

[休館日]

毎週月曜日(7月17日[月・祝]は開館)、7月18日(火)

[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 800(600)円
中学生以下無料

※( )内は前売券および20名以上の団体料金です。
※上記料金で本展会期中に限りコレクション展もご覧になれます。
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳(愛護手帳)、特定医療費受給者証(指定難病)のいずれかをお持ちの方は、各券種の半額でご観覧いただけます。また付き添いの方は、各種手帳(「第1種」もしくは「1級」)または特定医療費受給者証(指定難病)をお持ちの場合、いずれも1名まで各券種の半額でご観覧いただけます。ローソンチケットほかでお買い求めいただき、当日会場で各種手帳(ミライロID可)または特定医療費受給者証(指定難病)をご提示ください。付き添いの方はお申し出ください。
※学生の方は当日会場で学生証をご提示ください。
※前売券および当日券は、愛知県美術館チケット売場(当日券のみ)、中日新聞販売店、主要プレイガイド、Boo-Woo(ブーウー)チケット、ローソンチケット(Lコード:41790)、チケットぴあ(Pコード:686-512)などでご購入いただけます。(オンラインでの販売は6月1日~、プレイガイドでの販売は6月中旬~予定)

[主催等]

[主催]愛知県美術館、中日新聞社

見どころ

東京名所三十六戯撰元昌平坂博覧会.JPGのサムネイル画像

旅する金鯱

博物館のオープン記念博覧会、お客を出迎えたのは名古屋城天守から降ろされた金鯱でした。世界を旅する金鯱を追いかけながら、激動の時代の文化財を考えます。

 

Ⅰ-1 「無用の長物」、世界を巡る

 

Ⅰ-2 博物館とは、何するところ?

 

Ⅰ-3 鯱の行方──名古屋城は誰のもの?

「赤銅の瞳に睨まれちゃあ、江戸っ子だって腰抜かす」

昇斎一景《東京名所三十六戯撰 元昌平坂博覧会》1872(明治5)年 一般財団法人名古屋城振興協会

ドイツ俘虜製作品展覧会.jpg

幻の愛知県博物館

貴重な文物を守り、手本となる商品を世界中から集め、美術家たちに展示場所を提供し...。愛知県博物館(のちに愛知県商品陳列館)の、あれもこれもと欲張りな活動をご紹介します。

 

Ⅱ-1 愛知県博物館、開館!

 

Ⅱ-2 商品陳列館の敏腕館長

 

Ⅱ-3 美術館が欲しい!──画家たちの展示場所

 

Ⅱ-4 陳列所の展開と、もう一つの博物館

「ドイツ人捕虜の技術力、とくとご覧あれ」

絵葉書「ドイツ人戦時俘虜展覧会 1919年 名古屋」 1919(大正8)年 名古屋市博物館

シュガーボックス.jpg

ものづくり愛知の力

古代から現在まで無数の産業が生まれ発展してきた、ここ愛知。弥生時代の木製品から現代の化粧品原料まで、ものづくり愛知の力を博物館の眼を通して見つめます。

 

Ⅲ-1 朝日遺跡──ヒトとモノが行き交う市

 

Ⅲ-2 ミツカン──江戸の寿司を変えた粕酢

 

Ⅲ-3 ガラガラ音が、三河に響く──ガラ紡の普及と養蚕奨励

 

Ⅲ-4 売れ線陶器に学ぶ──産総研のドイツ参考品

 

Ⅲ-5 ファンデーションを支える──奥三河の絹雲母

海外市場で勝負するには、 軽くて丈夫な陶器じゃないと。 欧米の流行品を調査せよ!

ウフレヒト(ドイツ)《シュガーボックス》1931(昭和6)年購入 国立研究開発法人産業技術総合研究所中部センター所蔵 愛知県陶磁美術館管理




図録

『幻の愛知県博物館』

1,500円(税込)
全128頁
[編集]副田一穂・塩津青夏
[執筆]拝戸雅彦・副田一穂
[デザイン]伊藤敦志
[発行日]2023年8月20日 初版発行
[発行]幻の愛知県博物館展実行委員会

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