企画展
リチャード・マイヤーとフランク・ステラ 建築と絵画の接点
Richard Meier and Frank Stella - Architecture and Art
建築家リチャード・マイヤー(1934年生まれ)と画家フランク・ステラ(1936年生まれ)は、ともに戦後のアメリカを代表する芸術家です。二人の交流は1950年代後半に遡り、「建築」と「絵画」という領域で、それぞれ輝かしい活躍をしてきました。
明晰な形態と複雑な空間を作り出す建築家として高い評価を受けるマイヤーは、モダニズム建築を正当に継承した数多くの建築作品を作り上げてきました。彼の建築の中でもっとも重要で、しかもマイヤー独自の建築観が示されている作品が、アメリカとヨーロッパ各地に設計した美術館建築です。
1958年に《ブラック・ペインティング》で喝采を浴びたステラはその後、華麗に変貌し、絵画、立体的な絵画レリーフ、立体作品、版画、コラージュと、様々な領域で大胆な実験を繰り返してきました。そして、1980年代の終りからは、ヨーロッパ各地で橋や公園、美術館などの様々な建築プロジェクトに関与し、機能優先の現代建築に対して、造形美をも重視した建築の提唱を行ってきています。
展覧会ではマイヤーの設計した4つの美術館建築、アトランタのハイ美術館(1980-1983年)、フランクフルト工芸美術館(1979-85年)、バルセロナ現代美術館(1987-95年)、そして1997年完成予定のロサンゼルスのゲティ・センター(1985年-)を、建築模型や設計プラン、そして写真を使って紹介します。これと併せて、マイヤーの芸術家としての側面を示すコラージュ25点、彫刻4点と紙レリーフ3点を展示します。ステラに関しては、1958年の初期の作品から95年の最新作までを、絵画7点、絵画レリーフ10点、立体作品4点、紙コラージュ4点、建築模型3点で紹介します。
マイヤーはアリゾナ州のフェニックス市に連邦裁判所の設計を進めていますが、その裁判所を取り囲む敷地部分に一つの複合施設を想定して、二人が共同で複合施設の新しいプランを建築模型で提案することになっています。
こうして、展覧会は二人の多面的な活動を紹介するとともに、「建築」と「絵画」がどのように関わり合うのか、空間が「建築」と「絵画」の力によって、どのようにして変貌するのかを検証し、21世紀の空間を創造する手掛かりを得ようとするものです。
基本情報
- [会期]
- 1996年2月2日(金)~1996年4月7日(日)
- [会場]
- 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
- [開館時間]
- 10:00~18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで) - [休館日]
- 毎週月曜日(ただし2月12日[月・振]は開館)、2月13日(火)
- [観覧料]
一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
小・中学生 400(200)円
※()内は20名以上の団体料金- [主催等]
[主催] 愛知県美術館、毎日新聞社
[後援] アメリカ大使館、愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会、名古屋鉄道、JR東海
[助成] アサヒビール芸術文化財団
関連イベント
■記念シンポジウム「美術館という空間」
[講師] リチャード・マイヤー(出展作家)、フランク・ステラ(出展作家)、安藤忠雄(建築家)、福田晴虔(九州大学工学部教授)、浅野徹(愛知県美術館長)
[日時] 1996年2月3日(土)13:30-16:30