企画展
近代の日本画──西洋との出会いと対話──
NIHONGA - Traditional-style Modern Japanese Painting -
わが国の絵画は西洋絵画から、桃山時代、江戸時代後期、明治時代と三度にわたって大きな影響をこうむりましたが、なかでも明治時代におけるそれは日本の絵画の性格を根本的に変えるものでした。その変革を背後から支えたのはそれぞれ不完全ではありましたが、明治新政府の欧化対策をみちびいた科学的合理性に基づいた世界観と、西洋の<絵画>理念の体系的導入でありました。
ところで、今日<日本画>と呼ばれる絵画は、フェノロサの指導下で狩野派の絵画を模範とし、明治維新以降の極端な欧化対策にたいする反動として、あるいは明治政府が国民を統合するシンボルとして<洋画>と対比されるかたちで産声をあげたところに発したものです。しかしながら、最初にふれたような明治に入って新たにもたらされた事態が、現在に至るまで日本画にさまざまに形を変えて波及していることを忘れることはできません。
日本画約100点からなるこの展覧会は、こうした問題意識を念頭におきながら、同時代の美術動向に触発を受け、あるいは伝統に新たな形で目を向けつつ変貌を遂げた日本画の成立と展開を、時代が経過するにつれて浮上していた西洋とかかわる」いくつかの問題点に焦点をあてることを通じてたどろうとするものです。
基本情報
- [会期]
1993年1月5日(火)~1993年2月11日(木)
- [会場]
愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
- [開館時間]
10:00~18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)- [休館日]
毎週月曜日
- [観覧料]
一般 800(600)円
高校・大学生 600(400)円
小・中学生 300(200)円
※()内は20名以上の団体料金- [主催等]
[主催] 愛知県美術館
関連イベント
■記念講演会①
[講師]小嶋悠司氏(京都市立芸術大学助教授)
[日時]1993年1月23日(土)
■記念講演会②
[講師]小倉忠夫氏(名古屋ボストン美術館設立準備委員会常任顧問)
[日時]1993年1月31日(日)