企画展

川合玉堂展

Kawai Gyokudo Retrospective

 川合玉堂が昭和32(1957)年に亡くなったとき、美人画で知られた画家鏑木清方は「日本の山河がなくなったような気がする」と言って惜しみました。数多い近代の日本画家の中でも玉堂は、日本の風景の情緒を最もよく表現した画家のひとりとして高く評価されています。

 明治6(1873)年愛知県に生まれ岐阜で育った玉堂は、はじめ絵を京都で学び、明治29年東京に出て橋本雅邦に師事しました。やがて玉堂は京都の四条派や雅邦の加納派、水墨画などの古典画法を融合させ、近代的な写生感覚を交えた詩情豊かな風景画で名を高めて、明治40年の文展開設時には33歳の若さで審査員となりました。

 大正期には琳派風の装飾的な色彩表現なども試み、昭和10年代には日本の湿潤な空気と四季折々の情趣あふれる色彩を見事にとらえた傑作が数多く描かれました。昭和19年の疎開からは終生奥多摩にとどまり、自然とともにある人々の生活を、温雅な墨と明るく澄んだ色彩のとけ合いの中に親しみ深く描き続けました。

 この展覧会は川合玉堂の60年余年にわたる画業を、代表的な作品約110点によってご紹介するものです。日本の自然のこまやかな美しさと、日本画の表現力を信じ愛した玉堂の芸術の粋をお感じ取りいただけることでしょう。

基本情報

[会期]
1998年3月20日(金)~1998年5月5日(火)
[会場]
愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
[開館時間]
10:00~18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
毎週月曜日(5月4日[月・祝]は開館)
[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
小・中学生 400(200)円
※()内は20名以上の団体料金

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、中日新聞社、東海テレビ放送、東海ラジオ放送

[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会、JR東海、名古屋鉄道、近畿日本鉄道

[企画協力] 玉堂美術館、財団法人玉堂会

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