企画展

危機の時代と絵画 1930-1945

Painting in Crisis: 1930-1945

 世界恐慌、ファシズムの台頭、度重なる侵略戦争の勃発、そして世界を二分しての戦争と、1930年から1945年までの間、世界は不安と恐怖のなかにありました。日本においても満州事変、日中戦争、太平洋戦争へと戦火は拡大し、国内では戦争遂行のための思想統制、挙国一致体制へと突き進んで行きました。美術の世界においても戦争への協力が要請され、美術思潮に対しても弾圧の手が伸びました。こうした危機の時代にあって、表面的でなく精神の深奥で時代の恐怖や不安、悲しみを感受し、それを画面に塗り込めた一群の日本人画家たちがいました。国吉康雄は「戦争を描くのに戦争場面を描く必要はない。もし人がなにかを感じたら、それは作品にあらわれるものだ。それは自分の悲しみを何かに、なんでもいいから何かに転化しようとすることなのだ。」と語っていますが、この展覧会で紹介する十余人の画家たちも、そのスタイルは異なりますが、国吉の言葉にあるのと同様な姿勢で絵画制作に向かい、そのことによって普遍性を獲得し、例えば戦争画よりもこの時代の精神を生々しく今日まで伝える作品を残すことができたと言えましょう。この展覧会では、十余人の画家の作品約80点により、あらためてこの時代と絵画との関係を考察します。

基本情報

[会期]

1999年9月3日(金)~1999年10月17日(日)

[会場]

愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)

[開館時間]

10:00~18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)

[休館日]

毎週月曜日

[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
小・中学生 400(200)円
※()内は20名以上の団体料金

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、日本経済新聞社、テレビ愛知

[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

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