企画展

世界遺産 ポンペイ展──古代ローマ文明の輝き──

POMPEI E I SOUI ABITANTI

 青く輝くナポリ湾に臨み、背後にヴェスヴィオ山がそびえる大地に、古代ローマの都市遺跡ポンペイが広がっています。当時一万数千人が暮らしたポンペイは、豊かな自然の恵みを享受し、農業や通商で栄えた町でした。しかし、西暦79年のヴェスヴィオ山爆発で噴出物に覆い尽くされ、一瞬のうちに埋没。その後、町が見つかったのは18世紀になってからです。火山灰が風化を防ぎ、発掘された建造物や品々は保存の状態がよく、時間の経過を感じさせませんでした。

 この展覧会は、イタリアを中心に考古学、美術史、科学等の専門家が国際プロジェクトチームを組んで企画されたもので、古代ローマ時代の暮らし、自然、科学、技術、芸術を改名しようとするものです。とくに、古代ローマの科学技術を扱った展覧会としては世界で初めての試みで、1999年にナポリ国立考古学博物館で開幕、その後、アメリカ、ドイツ、フランスを巡回し、古代ローマ帝国の一都市で繰り広げられた人間の営みを、総合的に解き明かすこの展覧会は、開催各国で高い評価を受けています。日本では、「日本におけるイタリア年」の主要行事のひとつとして開かれ、世界巡回の内容に映像による紹介や展示構成の再編などを加え、鑑賞者がより理解しやすいよう工夫がなされています。

 ポンペイの人々は、火山の噴火や地震という危険があるのを知りながら、代々受け継いできた土地での暮らしを続けました。火山列島に住む日本人にとって、ポンペイの歴史は、単なる遠い過去のできごとではなく、より身近なものに感じられます。21世紀を迎えて、二千年前の都市の遺産は何かを教えてくれるのではないでしょうか。

基本情報

[会期]
2002年2月8日(金)~2002年4月17日(日)
[会場]
愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
[開館時間]
10:00~18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
毎週月曜日(ただし2月11日[月・祝]は開館)、2月12日(火)
[観覧料]

一般 1,200(1,000)円
高校・大学生 900(700)円
小・中学生 600(400)円
※()内は20名以上の団体料金

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、朝日新聞社、名古屋テレビ放送、岐阜新聞・岐阜放送

[後援] 外務省、イタリア大使館、日本におけるイタリア年財団、日本ユネスコ協会連盟、愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

[特別協賛] 凸版印刷株式会社

[協賛] Enel

[協力] アリタリア航空会社、ゼネラリ保険会社、日本通運株式会社、名古屋鉄道株式会社、JR東海、名古屋市交通局

[学術協力] 東京大学象形文化研究拠点

見どころ

図録

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世界遺産 ポンペイ展
監修:青柳正規(東京大学教授)
図録編集:朝日新聞社文化企画部
執筆:青柳正規、藤沢(今井)桜子、藤澤明寛、マリアロザリア・ボリエッロ、アンナマリア・チャラッロ、エルネスト・デ・カロリス、ジョヴァンニ・ディ・パスクワーレ、アンナ・マリア・リベラーティ
資料編集:藤沢(今井)桜子、千葉とき子(国立科学博物館地学第一研究室主任研究員)、東京都江戸東京博物館学芸課
翻訳:藤沢(今井)桜子、野中夏実、平山東子
制作:大塚巧藝社
印刷:凸版印刷株式会社
発行:朝日新聞社 ©︎2001

「ポンペイとポンペイに暮らす人びと」ピエトロ・ジョヴァンニ・グッツォ
「シェルターとしての都市と生活」青柳正規
「ナポリ国立考古学博物館の歴史」ステファノ・デ・カーロ
「古代ローマ文明博物館のポンペイ・コレクション」アンナ・マリア・リベラーティ
「ポンペイ遺跡について」青柳正規

図版
タイムカプセルの扉

「79年の噴火」ジュゼッペ・ルオンゴ/アンナマリア・ペッロッタ/クラウディオ・スカルパティ
「ポンペイ発掘史」エルネスト・デ・カロリス

人と自然

「ポンペイの人と自然」アンナマリア・チャラッロ

住まいと都市

「都市と住宅」青柳正規

豊かなくらし

「ポンペイの日常生活」アンナマリア・チャラッロ/エルネスト・デ・カロリス
人びとのくらし
「『ポリビウスの家』をめぐる学際的研究」アンナマリア・チャラッロ
「『ポリビウスの家』の発掘」エルネスト・デ・カロリス
科学と技術

「ポンペイの科学と技術」ジョヴァンニ・ディ・パスクワーレ

世界の広がり

「世界の広がり」青柳正規

世界遺産ポンペイ
年表
用語解説
参考文献
イタリア語論文

Pompei e i suoi abitanti
Curatore della mostra: Masanori Aoyanagi (Professore dell'Universita di Tokyo)
Redazione del Catalogo: The Asahi Shimbun
Testi: Masanori Aoyagi / Sakurako Imai Fujisawa / Akihiro Fujisawa / Mariarosaria Borriello / Annamaria Ciarallo / Ernesto De Carolis / Giovanni Di Pasquale / Anna Maria Liberati
Documentazione: Sakurako Imai Fujisawa / Tokiko Tiba / Division of Petrology / Department of Geology / National Science Museum
Curatorial Section of the Edo-Tokyo Museum
Traduzioni: Sakurako Imai Fujisawa / Natsumi Nonaka / Toko Hirayama
Progetto grafico: Otsuka Kogeisha Co., Ltd.
Stampa: Toppan Printing Co., Ltd.
Casa editorice: The Asahi Shimbun

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