企画展

戸谷成雄展──森の襞の行方──

Shigeo Toya - Folds, Gazes and Anima of the Woods

 戸谷成雄(1947年長野県生まれ、愛知県立芸術大学彫刻家卒業、埼玉県在住)は、木のブロックをチェーンソーで彫り刻む「森」のシリーズで知られる彫刻家です。60年代から70年代にかけて、素材的にも形態的にも「彫刻」の表現や意味は大きく変化しました。70年代の半ばに大学を卒業し本格的な活動を開始した戸谷は、敢えて「彫刻」の意味にこだわり続け、「彫刻」を自らの手で再生させる方法を模索します。こうして、70年代の後半から80年代の初頭にかけて、「露呈する《彫刻》」や「仮設の《彫刻》」などのシリーズが登場しました。「彫刻」をめぐる彼の探究は、1984年に鉄芯を埋め込んだ木のブロックをチェーンソーで掘り込んだ「森」として結実します。以後、戸谷にとって「森」は世界を認識し、彫刻として造形化するための中心的な構造概念となり、今なお、彫刻を立ち昇らせる「視線」の作用や、彫刻の表層で折り畳まれる「襞」の概念を問いかけつつ、地上世界と地下世界、その「境界」とその両側に発生するスリリングな構造関係を示し、「森」をめぐる豊穣なコスモロジーを展開しています。

 今回は、こうした戸谷の彫刻世界を、「森」シリーズ以降の代表的な立体作品約20点と素描約40点の近作、そして新作でご紹介します。

 彫刻家戸谷が創り出す精気に満ちた森を散策してください。

基本情報

[会期]

2003年6月6日(金)~2003年7月27日(日)

[会場]

愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)

[開館時間]

10:00~18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)

[休館日]

毎週月曜日(ただし7月21日[月・祝]は開館)、7月22日(火)

[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
小・中学生 400(200)円
※()内は20名以上の団体料金

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、中日新聞、東海テレビ放送

[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市教育委員会

[助成] 財団法人地域創造

[協力] SHUGOARTS、KENJI TAKI GALLERY

見どころ