企画展

サイクルとリサイクル──めぐりめぐる形とイメージ

Cycle and Recycle

 我々は、太陽の動きや季節をはじめ、自然の中にさまざまなサイクル(循環や周期)を認めます。また、心臓の鼓動(パルス)に、さらには親族の顔かたちの相似性にさえも。そのサイクルがサイクルとして動いていることを再確認することで、我々は安心して生活できます。

 一方、現代の「リサイクル(再循環)」は、地球をエコロジーの観点で有限な資源環境とみなした上で、作られた製品をできる限り廃棄せず、再利用して、資源の無駄使いを避ける考え方と技術、さらにはその行動を示します。その「リサイクル」の実践はもはや日々のスタンダードになりつつあります。
自然の中にサイクル(循環)を認めてその規則性に安心していた地点から、そのサイクルが次第に失われつつあるのでは、という危機感の中で、積極的な行動を呼びかける「リサイクル」へのステップはとても大きいものがあります。

 同じような変化が、美術の鑑賞に際しても起こっています。
現代の作品の多くが見るものに強く働きかけて行動と発見を促します。作品の中に、光と影、現在と過去、オリジナルとコピー、テキストとイメージといったさまざまな対の関係を読み取ることができます。鑑賞者はその対の関係の中に揺れ動きます。

 したがって、この展覧会では、ものをそのまま作品の中に再利用して作る「リサイクル」的作品を展示するとともに、本来の意味での「リサイクル(再循環)」を現代のさまざまな造形表現の中に探し求めて提示します。9人の現代作家の約90点の作品で、環境の問題に限定することなく、より発展的に、造形に見る「循環」の関係から、我々自身の生活や考え方にも存在する「循環」、つまり、めぐること、そして、めぐりめぐることに思いをはせる展覧会とします。

城戸孝充(Takamitsu KIDO)、大巻伸嗣(Shinji OHMAKI)、ピエトラ・ピストレット(Pietra PISTOLETTO、イタリア)、篠原猛史(Takeshi SHINOHARA)、鷲見麿(Maro SUMI) 、竹村京(Kei TAKEMURA)、手塚愛子(Aiko TEZUKA)、渡辺英司(Eiji WATANABE)、ピーター・ヴュートリヒ(Peter WUETHRICH、スイス)

基本情報

[会期]

2007年9月7日(金)〜2007年11月4日(日)

[会場]

愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)

[開館時間]

10:00〜18:00
金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)

[休館日]

毎週月曜日(ただし9月17日[月・祝]と24日[月・振]、10月8日[月・祝]は開館)、9月18日、9月25日、10月9日

[観覧料]

一般 1,000(800)円
高校・大学生 700(500)円
中学生以下無料

[主催等]

[主催] 愛知県美術館、日本経済新聞社、財団法人自治総合センター

[後援] 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

[協賛] 松下電工株式会社、日本ビクター株式会社、株式会社タジマ、恒川フェルト工業株式会社、天雅岩絵具工場

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