企画展

クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に 印象派を超えて──点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで

DIVISIONISM FROM VAN GOGH AND SEURAT TO MONDRIAN

 19世紀末から20世紀前半のヨーロッパ絵画において、色彩は外界の事物を再現するという役割から徐々に解放され、自立した表現として用いられるようになりました。色彩の独立は、印象派の筆触分割にその萌芽を見出すことができます。そして、新印象派として知られるスーラは、科学的な知識をもとに独自の点描技法を開拓し、色と光の問題に取り組みました。その方法論は、スーラの盟友シニャックを通じて、フランス国内の画家たちに多大な影響を与えました。当時オランダからパリに出たファン・ゴッホも、点描の技法に触発され、色彩の力を駆使して独自の表現を得ることに成功しました。スーラの死後は、フランスに代わって、ベルギーやオランダにおいてこの技法が盛んに用いられました。

 分割主義とは、一般的に、こうした印象派や新印象派、またその系譜に連なる絵画に顕著な技法を意味します。さらに、本展覧会では、風景画から抽象絵画に至ったモンドリアンの色面分割も、分割主義の概念のもとで見直します。モンドリアンら抽象絵画草創期の画家たちの多くが、印象派やスーラの技法を独自に解釈し、色彩の実験を試みていました。

 本展は、ゴッホの優れたコレクションで知られるオランダのクレラー=ミュラー美術館の特別協力のもと、印象派や新印象派、そしてそれに続く世代の画家たちが、技法を研究する中で、色彩の新たな力に目覚めていったことを検証するものです。国内からの出品を含む92点の作品を通じて、絵画の神髄とも言える色彩の力を、新たな目で捉え直します。

基本情報

[会期]
2014年2月25日(火)〜4月6日(日)
[会場]
愛知県美術館[愛知芸術文化センター10階]
[開館時間]
10:00-18:00
金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
3月3日(月)、3月17日(月) ※その他の月曜日は開館します。
[観覧料]
一般1,400円(前売・団体1,200円)
高校・大学生1,000円(前売・団体800円)
中学生以下無料
[主催等]

[主催] 愛知県美術館、NHK名古屋放送局、NHKプラネット中部、中日新聞社

[共催] クレラー=ミュラー美術館

[後援] オランダ王国大使館、愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

[協賛] 東海東京証券、損保ジャパン

[協力] KLMオランダ航空、JR東海、近畿日本鉄道

logo.gif本展は,政府による美術品補償制度の適用を受けています。This exhibition is covered by the Japanese Act on the Indemnification of Damage to Works of Art in Exhibitions (Act No.17 of 2011)

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