[ 先生のためのプログラム:鑑賞学習実践例 ] 「しぜんでアート」
対象作家・作品 | 白髪一雄 作品 1963年 アントニオ・タピエス コンポジション 1977年 斉藤義重 作品 1962年 |
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実践タイトル | しぜんでアート |
ねらい | いろいろな方法で制作しよう |
対象学年 | 小1 |
指導の構成 (流れ) | 学校 3時間 鑑賞 美術館 1時間 鑑賞 |
準備教材 | 絵の具、砂、リサイクル粘土 (詳細は指導案参照) |
学校名 | 名古屋市立白金小学校 |
教諭名 | 竹内清美(2003年度) |
実践のねらい
- アート体験をしよう。
- 自分たちと同じ方法が使ってある作品をみつけよう。(美術館)
- あきとなかよし
- つるすかざりをつくろう
実際の様子
学習活動と児童の反応、活動の様子
アート体験をしよう
「絵」はいろいろな方法でかくことができるよ。どんな方法があるかな?いろいろな方法でかいてみよう
- 砂をつかって絵をかこう 厚紙に自分の好きな色をぬり、砂と水を混ぜ合わせたボンドをのせて、引っかいたり削ったりして下地を生かして自分の好きな絵をかく。
- ほったりけずったりして絵をかこう 乾燥したリサイクル粘土に自分の好きな色を塗り、 粘土をひっかいてイメージした世界をかく。その後、下地と違った色を塗る
- 手や足を使って絵をかこう 好きな色を指や手のひらや足につけて、こすったりスタンプして思いのままに画用紙にかく。
- アート体験の感想を発表しよう
- てやあしがぬるぬるしてたのしかったよ。
美術館に行こう
- 美術館ってどんなとこ?
- 美術館には、いろいろな絵があるよ。どんな絵があるか見に行こう。
- 自分たちと同じかき方の作品を探そう。
- すぐに児童たちは、白髪一雄の作品をみつけて集まってきた。作品の中の手や足跡を見つけて熱心に鑑賞していた。
- 砂を使ってかく絵では、タピエスとデュビュフェの絵に意見が分かれ、何度も二人の作家の作品を見比べ、全員がタピエスの作品を選んだ。
- 自分の好きな絵を見つけよう。
- 自分の好きな絵を見つけてその絵の前に座った。学芸員さんや教師の質問に自分の好きな理由を話していた。
- 自分たちと同じかき方の作品を探そう。
感想および今後の課題
いろいろな材料や技法を使ってアート体験でしたことにより自由にのびのびと表現する楽しみを知り、生活科の『あきとなかよし』では自分たちで見つけた材料や表現方法で工夫して「つるかざり」を作ることができた。また、アート体験した後で美術館を鑑賞したことは、一年生の児童にとっては興味関心を持続させて作品鑑賞するには効果的であった。
しかし、事前のアート体験が美術館の作品と結びつかずになかなか作品を見つけることの出来なかった児童に興味関心が薄れる場面もあった。作品を構成している一つの要素である技法を取り上げて鑑賞学習をしたことは、児童に表現の自由さを知らせることが出来たが、技法にとらわれて作品の持っている他の要素や作品から受ける感動や第一印象を素直に感じることが薄れてしまったように思われる。低学年の児童の鑑賞学習では、初めてであった作品の感動を大切にしていきたい。
当日の様子
体を使って制作する様子
ひっかいて制作する様子
作品探しの参考に使った児童作品の写真
手や足跡を見つけている児童の様子