[ 先生のためのプログラム:鑑賞学習実践例 ] 「クレー気分で ~《蛾のおどり》からグラデーションを~」
対象作家・作品 | パウル・クレー 蛾の踊り 1923年 |
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実践タイトル | クレー気分で |
ねらい | グラデーションに挑戦! |
対象学年 | 小5 |
指導の構成 (流れ) | 学校 1時間 鑑賞 1時間 表現 美術館 1時間 鑑賞 |
準備教材 | 紙、絵の具 |
学校名 | 尾張旭市立東栄小学校 |
教諭名 | 岡島叔子(2005年度) |
実践のねらい
愛知県美術館所蔵のクレー「蛾の踊り」を見て話し合い、題名を考えたり物語を考えたりすることにより、作品に興味をもたせ、鑑賞を深めることをねらいとする。 また、クレー作品の色作りの方法を知り、実際にクレーと同じ方法で、グラデーションをつくることに挑戦する。水彩絵の具での色作りは、今後の児童の表現活動に大きく影響し、色作りに自信が持てるようになると思われる。
実際の様子
- 愛知県美術館のポスターを図版にしたものを見て、話し合う。(写真:1)
[作品の題名やどうしてそう考えたのかを話し合う]- やじるしがいっぱいあるね。
- 青いところは空だと思う。とりがとんでいる。
- ぼくは、海に難破船が沈んでいるように見える。縦ではなくて、横向きかも。
- ワークシートに自分が考えた題名やお話を書く。(写真:2)
- クレーの色作りを知り、水彩絵の具でグラデーションを作る。(写真:3)
《色作りの手順》- 正方形のます目をかき、水彩絵の具の一色をます目の一番端の列にぬる。
- かわいたら、一番上の正方形以外のます目に、同じ色を重ねぬりする。
- かわいたら、違う色を少し加えて、上の二つの正方形以外のます目に重ねぬりする。少しずつ色に変化をつけながら、この手順を繰り返し、すべてのます目に色をぬる。
- 出来上がった作品に題名もつける。(写真:4) 「にじの音色」「光マジック」
- 愛知県美術館で本物を見よう。
- 本物は思ったより小さいけど、色はきれいだね
- 「蛾の踊り」なんていう題、だれも思わなかったね。
- バックはやっぱり空だったんだ。
作品の題名を考える。
「やじるしがいっぱいあるね。」
(写真:1)
「やじるしがいっぱいあるね。」
(写真:1)
ワークシートに自分が考えた題名やお話を書く。
(写真:2)
(写真:2)
水彩絵の具でグラデーションをつくってみる。
「ひとますごとに色を重ねていくんだ。」(写真:3)
「ひとますごとに色を重ねていくんだ。」(写真:3)
出来上がった児童作品
「にじの音色」「光マジック」
(写真:4)
「にじの音色」「光マジック」
(写真:4)
感想および今後の課題
作品を見て話し合いをする中で、友だちの意見を聞き、自分とは違った考えがたくさんあることを知ることは、他者との関わりを学ぶ、鑑賞教育の大きな意義であると感じた。
また、実際にクレーが描いた方法で色作りをしたことで、グラデーションの方法を知り、自分の表現に新しい技術が増え、楽しく活動できた。そして、美術館で本物を見た時の感動も大きかったようだ。
今後も、表現活動を伴う鑑賞実践の工夫をしていきたい
当日の様子
作品の題名を考える。 「やじるしがいっぱいあるね。」 (写真:1)
ワークシートに自分が考えた題名やお話を書く。 (写真:2)
水彩絵の具でグラデーションをつくってみる。 「ひとますごとに色を重ねていくんだ。」 (写真:3)
出来上がった児童作品 「にじの音色」「光マジック」 (写真:4)