[ 先生のためのプログラム:学校と愛知県美術館による鑑賞学習実践例 ] 「ぼくもわたしもげいじゅつ家 ~チェーンソーにちょうせん!~」

対象作家・作品 戸谷成雄  森 1954年
実践タイトル ぼくもわたしも芸術家
ねらい 彫刻家になって制作しよう
対象学年 小3
指導の構成 (流れ) 学校         3時間     鑑賞~表現
美術館     3時間     鑑賞、意見交換
学校         8時間     表現、ホームページづくり
準備教材 チェーンソー、楠、展示平面図 ビデオ(詳細は指導案参照)
学校名 名古屋市立白金小学校
教諭名 竹内清美(2003年度)

実践のねらい

作家の制作活動追体験後、作品の鑑賞を行い、作家の作品や表現することへの思いに気づき、ホームページに感想をまとめることができる。

実際の様子

学習活動と児童の反応、活動の様子

  1. 戸谷成雄の制作風景ビデオの音声を消して前半部分を視聴し、材料や制作方法を考えた。
  2. 作家の追体験でチェーンソーを使い、振動や音の大きさを体感した。
  3. チップで遊んで、においや感触などを体感した後、片づけゲームをした。
  4. 美術館の中にある森(戸谷成男制作)を見に行こう(現場学習)
    鑑賞課題 I 作品でチップはどのように使われているのだろう
    鑑賞課題 II 見つけたこと,かんじたこと,わかったことをメモしよう
    学芸員さんによる作品の説明に質問したり、うなずいたりして熱心に鑑賞した。 自由鑑賞では、展示平面図に観点別で色分けした付箋を貼り、課題 II の学習をした。
  5. 拡大展示平面図と自分の展示平面図を見ながら、友だちと感想を話し合った。
  6. 作品ごとに、観点別に色分けした付箋を貼り、クラス全員の感想をまとめた
  7. 鑑賞課題 I の学習では、作品観賞後のチップの使われ方について各自意見を発表した後、ビデオの後半部分見てチップがどのように使われていたか理解した。
  8. もう一度彫刻家に変身して、チップを灰にして振りかけ、色を塗って作品を完成させた。
  9. 作品に名前をつけた。制作途中で付けた名前「26人の輪」「花火」「太陽」などの中から投票数の多い物に決めた。教師もチェーンソーで切っているので加えて「27人の森」に決まった。
  10. 校庭で作品を飾るのにふさわしい場所(精進の森)に作品を設置した。
  11. ホームページに感想をまとめた。     
    追体験して、作家が制作するときの思いや苦労、喜びについて気づいたことや作品鑑賞してわかったこと、感動したことを写真や題字、項目などのレイアウトや色を考えて読み手にわかりやすいようにまとめた。

感想および今後の課題

作家の追体験(前半)をしてから作品を鑑賞したり、鑑賞時の視点を明確にしてから鑑賞活動を行ったことにより、児童の鑑賞活動の意欲を高めるとともに、課題追求にかかわる鑑賞内容に深まりを持たせることができた。

しかし、この題材は大変危険が伴う。本校はテレビ会議システムの指定校であったので学校の協力が得られたこと、技術を持った講師の手配、ビデオテープの借り入れ、児童にわかりやすいように学芸員さんによる展示平面図作成、美術館で観賞後学習ができるように小部屋の確保など美術館の協力と連携によって実現可能になった 。

追体験の様子
「森の襞な行方」鑑賞
意見交換の様子
鑑賞活動後の追体験の様子