過去の企画展

過去の企画展

加納光於−「骨ノ鏡」あるいは色彩のミラージュ

会期 2000年9月15日[金]−11月5日[日]
会場 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
開館時間 10:00-18:00 金曜日は20:00まで (入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日(10月9日[月]は開館)、10月10日[火]
観覧料 一般/1000(800)円
高校・大学生/700(500)円
小・中学生/400(200)円
※( )内は前売り、および20名以上の団体料金。
【主催】 愛知県美術館/朝日新聞社
【後援】 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会

 加納光於は1950年代なかばに、「凶暴と愛、有機物と無機物のふしぎな婚姻」(瀧口修造)と評される幻想的なイメージにみちた銅版画によって芸術の荒海へと船出しました。銅板や亜鉛版の中にその航海記が微細・克明に記され、《燐と花と》や《星・反芻学》などのモノクロームのミクロコスモスが形成されることになります。その独創的な作品群によって、1960年代はじめにはすでに戦後日本を代表する版画家としての評価を得ますが、そこに停泊を続けることなく加納光於は航海を続け、さらなる新しい世界を探求しようと、技法の冒険=革新を重ねていきます。亜鉛板をバーナーで焼ききったメタルワークの連作、メタルワークを版として用いた《ソルダード・ブルー》や《半島状の!》の鮮やかな色彩版画(メタルプリント)へと1960年代なかばからその冒険は増幅していきます。1970年代にはいるとそこにオブジェが加わります。大岡信の詩集『砂の嘴・まわる液体』を函の中央部に密封したリーブル・オブジェ《アララットの船あるいは空の蜜》はその代表的なものですが、このほかにも1970年代には多くのオブジェ作品が発表されることなく制作されました。1980年代にはその冒険は油彩画にもおよび、色彩をその極限の相貌において捕獲しようと試みるようになります。絵具を自製し、蜜ろうを用いたその油彩画はしたたるような色彩の鮮烈さにおいて他に類を見ないものとなっています。またこうした版画や油彩画のほか舞台美術や装本などの仕事にもその情熱を傾けてきたことはよく知られています。今回の展覧会は、世紀の変わり目に、半世紀に及ぶこの類稀な芸術家・加納光於の冒険に富んだ航海記を読もうと企画され、300点を超える作品によって構成されます。

 展覧会のタイトル《「骨ノ鏡」あるいは色彩のミラージュ》は、詩人・瀧口修造が加納作品を定義した言葉「骨の鏡」にちなんでいます。大岡信は瀧口と加納との関係を「鏡は映す。だが、おのれ自身を映すことはできない、もう一つの鏡に遭遇して、互いに映発しあふまでは。」とやや羨望にも近いフレーズで記していますが、今回の展覧会は加納光於の今はなき瀧口修造への応答でもあります。

■企画展関連イベント
記念講演会
[講師] 馬場駿吉(美術評論家)
[日時] 2000年9月23日[土] 13:30-
[会場] 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA

※聴講無料。


ギャラリー・トーク(学芸員による展示作品説明会)
[開催日] 2000年9月30日[土]、10月14日[土]
[時間] 各回 11:00−