過去の企画展

過去の企画展

川民次展 ―愛と人間をえがく―

会期 1996年11月22日[金]−1997年1月26日[日]
会場 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
開館時間 10:00‐18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日(12月23日は開館)、12月24日[火]、12月28日から1月3日
観覧料 一般/1000(800)円
高校・大学生/700(500)円
小・中学生/400(200)円
※( )内は前売り、および20名以上の団体料金。
【主催】 愛知県美術館/朝日新聞社/名古屋テレビ放送
【後援】 愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市各教育委員会/JR東海
【協力】 名古屋鉄道/近畿日本鉄道

 静岡県に生まれた北川民次(1894-1989)は、1914年に早稲田大学予科を中退してアメリカに渡り、ニューヨークで劇場の職人として働きながら、アート・ステューデンツ・リーグで絵画の基礎を学びました。1921年にはメキシコに移り、この地で画家としての本格的な活動を始め、トラルパムやタスコの野外美術学校で児童美術教育に打ち込むとともに、絵画の制作にもはげみました。彼ははじめセザンヌの影響を強く受けていましたが、やがてメキシコの児童画などに見られる特質、つまり自分が知っているものを素直に描くという素朴な姿勢に自らの制作の原点を見いだし、独自の作風を形成していきました。1936年に帰国すると、翌年にはメキシコ的なモティーフを、壁画を思い起こさせるようなダイナミックな構成によって描いた作品群を発表して二科会会員となり、日本での画家としての地位を築いていきました。第二次大戦中には瀬戸に移り住み、窯業の盛んなこの街とそこに働く人々を愛し、数多くの作品を描いていきました。それにとどまらず、彼は日本社会の底流にある諸問題を積極的に取り上げるなど、時代に生きる画家として社会と真剣に向かい合い、日本の美術界ではあまり顧慮されてこなかった絵画の社会性について一つの具体的な可能性を示しました。

 彼が繰り返して描いたモティーフ、例えば家族の姿、母子、働く人々、そして社会的な問題に至るまで、そのすべてに<人間>に対する鋭い洞察と、その人間をこよなく愛してやまなかったこの画家の深い思想を読みとることができます。

 この展覧会は、北川民次の全体像を紹介することをめざして、初期のメキシコ時代から晩年までの制作をその代表作約150点によって網羅した、総合的な内容のものです。これにより<愛と人間を描いた画家>北川民次の芸術の魅力を広くご紹介します。

■企画展関連イベント
記念講演会 「メキシコ時代の北川民次」
[講師] 村田真宏(愛知県美術館主任学芸員)
[日時] 1996年11月24日[日] 13:30-15:00
[会場] 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA

記念講演会 「アメリカに学んだ日本人画家たち」
[講師] 酒井哲郎(三重県立美術館長)
[日時] 1996年12月1日[日] 13:30-15:00
[会場] 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA

記念講演会 「帰国後の北川民次」
[講師] 村田真宏(愛知県美術館主任学芸員)
[日時] 1996年12月7日[土] 13:30-15:00
[会場] 愛知芸術文化センター12階 アートスペースA

シンポジウム 「美術と教育―学校と家庭と美術館―」
[パネリスト] 安藤幹衛(画家)、伊藤 誠(小学校長)、小島東洋治(高等学校美術科教諭、画家)、宮崎玲子(美術愛好家)、村上暁郎(武蔵野美術大学教授)
[司会進行] 高橋秀治(愛知県美術館主任学芸員)
[日時] 1997年1月12日[日]、13:30−16:00