![]()
当館で開催中の「魔術/美術 幻視の技術と内なる異界」。
「魔術」というキーワードの魔力のなせる業なのか、週末を中心にたくさんの方においでいただいています。
しかし、盛り上がっているのは展覧会だけではありません!
実は、アートショップも「魔術/美術」に合わせた展開となっています。
そこで今回は、魔術展会期中限定で、アートショップで販売する商品をご紹介いたします。
まずは、「魔術/美術」オリジナル・グッズ!
カタログ制作中に出てきたデザインがあまりにも可愛らしかったので、このデザインをお借りして、マジュビジュ風クリアファイルとノートを作りました。
まずは、パステルカラーが春らしいオリジナル・クリアファイル。
女性のお客様に大人気です。表も裏も繊細な模様でいっぱいです。
↑ 「魔術/美術」オリジナル・クリアファイル。A4サイズ。350円(税込)。
続いては、ちょっと渋めのオリジナル・ノート。
マジュビジュ風デザインはそのままに、タイトル部分だけを抜いています。
お好きなタイトルを書き込んで、あなただけのマジュビジュ風ノートを作ることができます。
中身は白無地なので、おしゃれなお絵かき帳としてもも使えますよ。
↑ 「魔術/美術」オリジナル・ノート。A5サイズ。350円(税込)。
次に、「魔術/美術」オリジナルではありませんが、学芸員のイチオシ商品をご紹介します。
当館が所蔵する白隠慧鶴(はくいんえかく)の作品をモチーフにした、愛知県美術館オリジナルせんべいです。
↑ 愛知県美術館オリジナルせんべい。5枚入り。380円(税込)
白隠慧鶴は、江戸時代中期の臨済宗の禅僧で、主に民衆への布教の目的から、禅の教えを表す墨画を数多く残しました。
その中には、漢字を絵の中にそのまま取り入れたものがあり、今回の魔術展でも、白隠のこの大胆なテクニックを紹介しています。
せんべいのモチーフになった作品《布袋図》は、袋の中に「寿」を入れた嬉しそうな表情の布袋様の姿を表したものです。

↑ 白隠慧鶴《布袋図(ほていず)》江戸時代中期(18世紀) 愛知県美術館(木村定三コレクション)
↑ おせんべいにすると、こうなります。
実はこのおせんべい、作り方もなかなか本格的なのです。
製作していただいたのは、手焼きのおせんべいが自慢の製菓店「貴清堂本店」さん。
白隠の作品をもとに、オリジナルの焼き印を製作していただきました。
↑ 白隠《布袋図》をかたどった焼き印。手に持つとかなりの重みがあります。
この焼き印もおせんべいの横に展示(?)していますので、どうぞ手にとってご覧ください。
木村定三コレクションによる「禅の味」をお楽しみいただける白隠せんべい。お土産にもおすすめです!
その他、アートショップでは世界の呪術、おまじないグッズを取りそろえています。
↑ メキシコの骸骨ストラップ。
先祖の霊を迎えるお祭りの時に街に骸骨が飾られるそうです。ゆらゆら揺れる姿はむしろコミカル。
↑ ダーラナホースのマグネット。
北欧に伝わる「幸運を呼ぶ馬」。デザインがおしゃれです。
↑ インドネシアの魔除けの神様「バロン」のマグネット。
個性的なマグネットをお探しの方はぜひ。
↑ エケッコおじさんの人形。
アンデス地方で幸運を呼ぶとされる人形です。見ているだけで愉快な気持ちになります。(横のランプも気になりますね。)
そしておまけ。
現代の魔女といえば「美魔女」(年齢を重ねても若さと美しさを追究する女性たちを指す言葉です)。
ということで、美魔女の皆さんが注目する高級蜂蜜マヌカハニーも販売しています。
ニュージーランドに自生する植物マヌカの花からできる蜂蜜は抗菌性が高いとして、美容、健康などの面から話題なのだとか。
↑ マヌカハニー。 「美魔女」への第一歩!?
展覧会を楽しんだ後には、ショッピングも楽しめる「魔術/美術」。
アートショップをチェックするのもどうぞお忘れなく!
(S.N.)
ツイッター上で何かと話題になっていた「魔術/美術 幻視の技術と内なる異界」展がついに始まりました。12日には大村知事をはじめ多くの招待者を迎えて開会式が行われました。来場者も300人ほどで大変混雑しました。一言では伝えにくいのですが、魅力的な展覧会であることはチラシなどでも伝わっていたようです。
そして一般公開は、13日の金曜日! まったく展覧会タイトルにぴったりだと思いませんか?
展示室内は、「魔術」をキーワードに「だまし絵」「遠近法」「江戸絵画」「天体」「数字」等々様々な切り口から古今東西の作品を紹介しています。展覧会入り口にはシュルレアリストのアンドレ・ブルトンの言葉が記されたカーテンが下がっています。美術と魔術の近い関係を想起させます。最初の部屋には、現代美術の野村仁、能面、そしてサルバドール・ダリの作品が象徴的に来館者を迎えます。そのあとは・・・・ぜひ来館してお楽しみください。
そして、ロビーには魔法使いに変身できるコーナーが設けられています。展示室内はよく考えられたきちんとした展示ですが、展示室外ではお子様も含めて楽しんでいただける仕掛けが用意してあります。ここだけ楽しんでいくのもアリかも、などというと担当者に叱られるかな(ST)
本年度最初の企画展「魔術/美術 幻視の技術と内なる異界」の準備も大詰めになりました。
13日の金曜日からは一般公開が始まります。
担当学芸員は連日、夜遅くまで準備をしています。ようやくカタログも姿を現しました。黒地にホログラムの模様がとてもおしゃれで、ツイッター上では話題になっているとのこと(私は未だスマートフォンではないのでやや話題におくれぎみですが)。
また、展覧会グッズも担当者のアイデアで準備されています。その一つ、クリアファイルは、カタログ表紙と逆で白地にカラフルな模様がかわいらしく、女性の目を特に引きつけそうです。
そして、展示内容のほかに来館者に話題になりそうなのが、魔法使いのコスプレの出来るようにしようと考えていることです。展示室内では能面や古い狛犬にはじまって、1500年代のヨーロッパの古い版画から現代作家の21世紀になってからの作品や、はたまた心に染みる映像作品にいたるまで、東洋、西洋を問わずまた時代も自由に、「魔術」をキーワードに作品が選択されて、展示としてもきちんと考えられた、非常にきれいな展示がされていますが、展示室外では、魔法使いの衣装を着けて記念写真を自由に撮っていただけるような気軽なコーナーも設けようと考えています。どうぞお楽しみにしてください。子供用もありますよ。(ST)
「魔術/美術」展の担当者は先日、お休みを利用して野外民族博物館リトルワールドへ行って来ました。東海地方の方々にはお馴染みの場所ですね。
なぜ「魔術/美術」展でリトルワールドへ、と疑問に思う方も多いかもしれませんが、その大きな目的は「博物館の展示メソッドを学ぶ」です。いわゆる美術作品だけではなく、古遺物や民族学的資料も多数展示される魔術展。通常の愛知県美術館の展示方法とは異なる展示に挑戦するべく、リトルワールド見学というわけです。
実際、意識してみると近代美術館の展示スタイルと文化人類学に基づく博物館の展示スタイルは意外と違うことに気づかされます。例えば、美術館では立体物を展示する場合、一点一点を独立して見られるよう適度に間隔をあけて横に並べることが多いです。
↑現在開催中の「うつし、うつくし」の展示風景です。銅鐸や瓦も台に並べています。
↑こちらは所蔵作品展の様子。作品それぞれのベストアングルを見せられるように、立体と平面の配置を考えています。
一方、博物館の場合は空間全体を意識した展示を行います。文化というものを総体的に見せることが目的だからでしょうか。

↑リトルワールドの展示風景。左右だけでなく、上下、手前と奥など三次元を活かした展示になっています。迫力がありますね。
(*リトルワールドより許可をいただいて写真を掲載しております)。
もちろん、こうした展示方法に対する挑戦も最近では数多く行われています。その筆頭がパリに2006年にオープンしたケ・ブランリ美術館。アフリカ、アジアなどヨーロッパ以外の地域の装飾品や民具などを数多く所蔵している施設ですが、施設名からも明らかなように博物館というよりも美術館に近しい展示方法をとっています。その結果、これらの展示物は「民俗学的資料か、それとも美術作品か」をめぐって議論が起こりました。その論争も含めてとても興味深い施設です。http://www.quaibranly.fr/
ちなみに担当者二人は、リトルワールドのお土産にアフリカのお面フィギュアを購入。お面に展覧会の成功をお祈りしたいと思います。
*ブログ編集担当者より
リトルワールド本館展示のテーマ別ビデオは必見です。
愛知県美術館では、現在「うつし、うつくし」展を開催中ですが、次の企画展の準備も着々と進んでいます。
4月から開催予定の「魔術/美術――幻視の技術と内なる異界」展の前売券が本日販売開始となりました。
前売ですと一般は700円、高校・大学生は400円でチケットをご購入いただけます。(それぞれ当日より200円お得です。)
販売は4月12日までとなりますので、お早めにお求めください。詳しくはこちら。
前売券発売と同時にポスター・チラシも作成しました。
巷で「かわいい!」と話題の魔術展ポスター・チラシ、全部目にすることができたらラッキーかもしれません!
↑ 「魔術/美術」展ポスターとチラシ。
↑ チケットはこれまた雰囲気が違います。券種によって色が違うので、全部集めたくなる??
さてさて、宣伝ばかりでなく、ここでこの展覧会をきちんとご紹介したいと思います。
この企画は「愛知・岐阜・三重三県立美術館協同企画」の第6回目となります。
2004年に三重県立美術館で開かれた「20世紀美術にみる人間像」展から始まったこの協同企画は、地理的に近いこれら3つの県立美術館が協力し、互いの所蔵作品を活用しながらより魅力的な展示を考えるというもので、愛知県美術館の企画としては、2007年の「20世紀美術の森」展以来2回目となります。
一言でいいますと、担当学芸員にとっては、「ほら、他の2つの美術館の作品が自分の美術館の作品になったと思って、自由に所蔵作品展を企画してご覧なさい!」という課題を与えられたことになります。
担当学芸員2人が持ち寄った企画案の中にあったのが、「魔術」をキーワードにした展覧会。
他にも案があった中でこれが最終案となったのは、「魔術」というのがとても魅力的なことばである一方で、美術においてとても広がりを持ったテーマであるところにその理由があったと思います。
芸術家という概念の歴史は、人の創造行為の歴史に比べるとはるかに浅いものですが、その始まりは、さまざまな技術を駆使して人々に驚きを与え、現実と幻想の境界を揺るがしてきた人々にあったと言うことができます。
平面的な画面の上に奥行きを再現したり、「ない」はずのものを「ある」かのように見せる技術は、まさに魔法のように人々を魅了してきました。そして、それらの技術は、やがて美術という制度の中で継承されていきます。
一方、世界各地の信仰や宗教儀礼と密接に結びついた創造行為というものがあります。呪術の道具や、祭事に用いられる仮面といったものは、異界へアクセスし、超常的な存在と交流するための道具として大変重要なものです。それらは制度としての美術の外側で生き続けてきたために、その造形の魅力は、反対に「美術」に影響を与え、その権威を脅かしさえすることもあります。

↑ 《ヨルバ・スタッフ》 愛知県美術館(木村定三コレクション)
ナイジェリアで病気の治療を目的に行われる呪術の道具。
愛知県美術館の所蔵品の過半数を占める木村定三コレクションの中には、そうした民俗学的資料とも呼べるような造形物がたくさん含まれています。今回は、これらを美術品として生み出されたものと同じ空間で展示することにより、人間の創造行為を幅広い視点から見つめるきっかけとなるようにしたいと思っています。
さらに、近代以降の傾向として、科学技術の急速な進歩に抵抗するかのように、多くの芸術家が不可視の世界を積極的に表現してきました。とりわけ19世紀末のヨーロッパでは、幻想的世界を表現した版画作品が数多く制作されました。

↑ オディロン・ルドン〈夢のなかで〉より《VIII. 幻視》 1879年 岐阜県美術館
また、神秘主義的な要素や神話の主題といったものは、現代作家の作品にも受け継がれていますし、また現代生活の中の非日常を表現するアーティストも少なくありません。
最後の章では、彼らを「現代の魔法使いたち」として紹介する予定です。

↑ 中澤英明《子供の顔――クマ》 2001年 愛知県美術館
大人の世界を外側から見据える子供の視線は、大人の日常に裂け目をもたらすかのようです。
こんな風にざざっと「魔術/美術」の予告をしてみましたが、なんとなくイメージを持っていただけましたでしょうか?
本展は、あくまで美術館での展覧会ではありますが、技術や主題といった部分にのみ「魔術」を読み取るのではなく、「作る」という行為そのものへと人々を駆り立てる不思議な力を探る展示にできればと思っています。
担当学芸員としては、この展示を通してご来場の皆さん自身の中の隠された感性が刺激されればという願いを込めて、キャッチコピーを「あなたの魔性、めざめます」としました。
この春、ぜひ愛知県美術館で”魔性デビュー”してみてください。
「…と言われても何が展示されるのかさっぱり…でも何だか気になる!」と思ったあなた、すでに魔法にかかっているのかも知れません…。
(S.N.)