学校と愛知県美術館による鑑賞実践例

指導案のダウンロード

指導案のダウンロード

指導案のダウンロード

アートでクイズ
対象作家・作品 (2)パブロ・ピカソ (3)グスタフ・クリムト (6)パウル・クレー 
(7)アンリ・マティス (10)アレクサンダー・コールダー 
(11)マックス・エルンスト (12)サム・フランシス 
(13)ルイズ・ニーヴェルソン (14)ジョージ・シーガル 
(15)フランク・ステラ (32)熊谷守一 (34)白髪一雄 
(35)上田薫 (36)猪熊弦一郎 (40)三沢厚彦
※「あいパック」アートカード40枚の中から選んだ15の作家。( )はアートカードのナンバー。
実践タイトル アートでクイズ
ねらい クイズを通して、愛知県美術館所蔵の作品に親しむ。
対象学年 小学校 中・高学年
指導の構成 (流れ) 学校での授業1時間(45分) ※指導案を参照。
学校名 半田市立花園小学校
教諭名 伊藤増代(2012年度)
 

【実践のねらい】

 2012年4月に愛知県内全小中学校に配布された愛知県美術館鑑賞学習補助ツール「あいパック」よりアートカードを使い、愛知県美術館所蔵の作品に親しむ。
 誰でも手軽に楽しめるゲームもよいが、ここでは作品鑑賞することに“より興味が湧くように”、また作品・作家に対して“知識ももてるように”と考え、クイズをとりいれた展開を提案したい。
子どもはゲームやクイズが大好きである。ただカードを見せられるだけでは作品についての“気付き”が少なく、好みによっては「よく見る」気にもなれないであろう。そこでクイズを楽しみながら“考えて見る”ようにさせれば、自ずとよく見て作品についての知識も深まるのではないかと考えた。作品鑑賞に興味を持ち、美術館に行って本物を見たいという気持ちを喚起したい。
 クイズの作り方は、以前NHKテレビで放送された「迷宮美術館」のように、作家についての情報や作品が生まれた背景、制作の秘密などを採りあげた(参照:『迷宮美術館』第1〜5集、河出書房新社、2006-2008年)。授業形態としては、アートカードを書画カメラ・e−黒板で見せながらクイズを出してもよいし、作品(クイズを裏に)をB4サイズにラミネートしたものを提示してもよい。その後ワークシートに「心に残った作品」について記録させる。

【実践の内容】

 1時間(45分)にクイズをしてワークシートを書かせるとなると、5〜6問が適当と思われる。なるべく子どもが興味をもつような作家・作品を第一に、以下の作品についてクイズを作成した(数字はアートカードナンバー)。クイズの答えは、基本3択としたが、そうでないものもある。

  • (2)(3)(6)(7)(11)(12)(15)(32)(34)(35)(36)……絵画作品
  • (10)(13)(14)(40)…立体作品
  • (32)(34)(35)(36)(40)…日本人作家

■クイズ問題例

  • 猪熊弦一郎 ――  名古屋にあるデパートの包装紙のデザインをしていますが、次のどれでしょう。[A.(2)]
    (1)松坂屋 (2)三越 (3)高島屋  
  • シーガル ―― この作品をどうやって作ったのでしょう。[A.(3)]
    (1)紙粘土で人そっくりに作っていった。
    (2)木から彫り出した。
    (3)人の体から型をとった。
    (4)石から彫り出した。
  • 三沢厚彦 ―― 木彫・アニマルシリーズで実際に作られていないのはどれでしょう。[A.(5)]
    (1)ユニコーン (2)ムササビ (3)コウモリ (4)ペガサス (5)ティラノサウルス
  • フランシス ―― サム・フランシスの作品に大きな影響を及ぼしたといわれている日本の文化はどれでしょう。[A.(2)] 
    (1)柔道 (2)書道 (3)茶道 
  • クリムト ―― 「人生は○○○○なり」に合う言葉を入れてみましょう。[A.たたかい]
  • 熊谷守一 ―― この絵の“猫”の輪郭線はどうやって描いているでしょう。[A.輪郭線を塗り残す描き方で]

■評価について

 クイズに参加する時の様子観察と「心に残った作品」についてのワークシート記述内容より判断する。(正当数にはこだわらない。)
 授業後、アートカード作品カラーコピーと児童鑑賞文(良いところにアンダーラインを引いて)を掲示すると、互いの良い見方、感じ方に触れることができて、次回の鑑賞につながっていくと思われる。

■その他

 対象学年児童の興味を惹きつける何か(例えば視覚に訴える写真や絵など。面白い話、エピソードなど。)を準備できるとより“心(記憶)に残る1点”になるであろう。例えば、猪熊は、三越の包装紙を準備。三沢は、作品の画像や絵本などを準備。クリムトは、愛知県美術館の目玉作品であることに触れておく。熊谷は、愛知県美術館ミュージアムグッズのハンドタオルを準備。

【感想および今後の課題】

 クイズを作ることは、作る人自身がその作品・作家に興味がなければ難しいと思われる。B4サイズにラミネートした作品・クイズ問題を興味のある他の先生と共有化する方法があるとよい。
 生涯学習の観点からいっても、「アートって難しい、分からない。」と近付こうとしない子どもたちに、アート作品に触れることを“楽しい”と感じられるような機会を提供することは重要である。小学生で“楽しいこと”として体験したことは、後々まで心に残っていくのではないだろうか。