コレクション

木村定三コレクション:紹介

名古屋の著名な美術品収集家木村定三氏(1913-2003)とそのご遺族から寄贈された、3,000点を超えるコレクションです。浦上玉堂や与謝蕪村などの文人画をはじめとする江戸時代の絵画、近代の日本画で特別な位置を占める小川芋銭、木村氏と交流のあった熊谷守一や須田剋太といった画家たちの作品を核としながら、陶磁器等の工芸品や中国・日本の仏教彫刻、考古遺物など広範囲にわたっています。これらの作品は、「木村定三コレクション室」において、テーマごとに展示されるほか、企画展でも公開します。


■トピックス

木村コレクションの鏡

■ 《双鳳文葵花形鏡(そうほうもんきかけいきょう)》
(全体と部分)南宋〜元 径16.0〜17.0cm


■ 《方格規矩四神文鏡(ほうかくきくししんもんきょう)》
前漢 径13.0cm

木村定三コレクションの中には一群の鏡があります。木村定三氏が収集した数々の美術品のほとんどは一般に知られていなかったため、木村氏が鏡を収集していたことを知る人もほとんどいませんでした。氏が遺した鏡は40数面にのぼり、その中には美麗な鏡や稀少な鏡が何面も含まれています。例えば前漢時代の《方格規矩四神文鏡(ほうかくきくししんもんきょう)》は類鏡中の優品のひとつに数えられますし、南宋から元時代の《双鳳文葵花形鏡(そうほうもんきかけいきょう)》は稀少な鏡です。木村定三コレクションの鏡の最大の特徴は、地域性と時代性に富んでいることで、地域的・時代的な偏りがあまり見られないことです。この鏡のコレクション全体を通覧すると、中国に生まれ朝鮮や日本に伝わり、それぞれの地域性や時代性を見せる鏡の歴史的な変遷を大まかに辿ることができます。近世日本の柄鏡(えかがみ)は一面もありませんが、そのことがこの鏡コレクションのまた別の特徴ともいえます。




日本絵画の箱書

木村定三コレクションには、多くの日本絵画が含まれています。それらを調査する中で気付くことは、近世以前の絵画も含めて、画家・熊谷守一による箱書が多いことです(写真は、江戸時代の伊藤若冲筆《伏見人形図》の箱書)。木村定三氏は、熊谷と40年もの長きにわたって親交を保ち、パトロンとして熊谷から多くの絵や書を買いました。その中には、熊谷が独自に制作したものだけではなく、木村氏が制作を依頼したと思われるものも含まれています。木村氏は熊谷との親交の中で、その作品を買うだけではなく、自らが蒐集した古い日本絵画についても、新調した箱の箱書を熊谷に依頼していたのでした。これは、木村氏が熊谷の味わい深い書を深く愛した証でもあります。





公開シンポジウム
  「作品をまもり、伝える美術館 −ある仏画(木村定三コレクション)の修復をめぐって」

開催日 2006年11月4日(土)
開催場所 アートスペースA
参加者 160名以上
【目次】
1. 開会挨拶・基調説明 「木村定三コレクションの寄贈から今日まで」PDFをダウンロード
村田 眞宏(愛知県美術館 美術課課長)
2. 講演1 《愛染明王像》とその歴史的位置付け」PDFをダウンロード
泉 武夫 (東北大学教授)
3. 講演2 「《愛染明王像》の時代の絵画技法と材料」PDFをダウンロード
岩永 てるみ (愛知県立芸術大学講師)
4. 講演3 「《愛染明王像》の調査報告と今後の修復の選択肢」PDFをダウンロード
竹上 幸宏 (修美 修腹部部長・国宝修理装こう師連盟技師長(絵画甲))
5. 公開討論 「《愛染明王像》の修復方針」PDFをダウンロード
6. 講師総評・閉会挨拶PDFをダウンロード
7. 会場で頂いた御質問と今後の予定PDFをダウンロード
8. アンケート集計結果PDFをダウンロード